1.基本的な考え方
優待父さんの目標は、優待・配当をベース分とした上で資産のリバランスを通じて安定的に収益をあげることです。株式が運用の中心ですが、株式以外の資産クラスで配当を得るため、海外債権ETFを金融資産の20%組み込むことを目指しています。通貨は基軸通貨である米ドルが基本で、銘柄はリスク(リターン)のバランスを考慮して、5銘柄に分散させています。組み込み完了までの期間は10年で現在は6年目に突入しました。10年は相当長いのですが、為替変動を考慮して長めにとっています。
2.為替の影響
日本円で海外債権ETFを購入する場合、強く影響を受けるのが為替です。10年スパンで見ると為替が80円から120円に振れていることが分かります。仮に120円で購入した後、80円まで円高が進んだとすると▲33%(▲40/120)価格が下落することになります。この33%を配当で回収するためには、利回りが3.3%でも10年かかります。実際には、3.3%に国内の税金20%を考慮すると4.1%(3.3%/0.8)となり、更に外国所得税10%も含めると4.7%(3.3%/0.7)となります。もちろん為替が80円のままということもないと思うのですが、もし全額を一気に投入した場合には、10年という時間だけなく、円高時の購入機会も失ってしまうことになると考えています。
3.銘柄選択について
優待父さんは、AGG,LQD、PFF、HYG、EMBの5銘柄を購入しています。2019年1月22日現在で見ると、全て5年前より下落していますが、利回りが大きいほど下落率も大きくなっています。ここで難しいと思うのは、仮に5年で12%下落しても、利回りが5.5%であれば、単純計算では「5.5%×5年ー12%」で15.5%(3.1%/年)のプラスになっていることです。更に、この結果を利回り3.5%で下落率5%の場合と比較すると、「3.5%×5年ー5%」で12.5%(2.5%/年)となり、むしろ下落率の大きい銘柄の方がトータルリターンが高い結果となっています。以上のことから、優待父さんは、リスクの高い銘柄も組み込むこととしています。
銘柄 | 概要 | 利回り | 5年下落率 | 信託手数料 |
AGG | 米国総合債券ETF | 2.73% | ▲3.59% | 0.05% |
LQD | 米ドル建て投資適格社債 | 3.68% | ▲4.93% | 0.15% |
EMB | 米ドル建て新興国債権 | 5.69% | ▲10.75% | 0.40% |
HYG | 米ドル建てハイイールド社債 | 5.59% | ▲11.48% | 0.49% |
PFF | 米国優先株式 | 5.79% | ▲13.25% | 0.46% |
4.購入方法
購入はベタにドル・コスト法で、高くても安くても毎月or隔月に決まった金額を投入しています。当初はAGG、LQDだけを考え、高利回り銘柄は見送っていたため、現在は逆に高利回り銘柄のみ購入しています。為替が100円を切る円高状態となれば、ペースを上げたいのですが、これまでのところ10年スパンでは円安局面と判断しています。(2019年1月時点)
5.通貨選択
海外債権ETFを購入するに当たって、通貨分散も検討したのですが、寄り合い所帯のユーローを購入する気にはなれなかったのと覇権国である米国の通貨が相対的には安全と考え、米ドル建てに絞っています。このほか、豪ドルMMFも若干保有していますが、定期的な購入はしていません。